GIANT KILLING ⇒ 組織論
2010年4月23日 注目商品この巻で,これまでと違ったテーマにグッと踏み出してます.
13巻までのこの作品のテーマは,タイトル通り “GIANT KILLING”.
その目的のための監督という視点からの戦術論・チーム作り,そして変わっていくチームを描いた面白さがこれまでの柱でした.
14巻… 突然の移籍話のエピソードが見せてくれたものは,
“フットボールチーム” という狭義の組織ではなく,もっと一般・汎用的な “組織論” .
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監督 ⇒ 管理職 (課長クラス)
選手 ⇒ 一般社員
クラブ ⇒ 会社
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と置き換えても,見事にはまる.
実際に指揮・指導を行うにも関わらず,メンバーに誰を選ぶかの権限を持たない中間管理職.
その中間管理職がするべき精一杯の努力を,代弁してくれてます.
「伸びる確信があるからベンチに入れてる」
⇒ 若手の育成も管理職の役目.
決して,どうでもいいメンバー・戦力なんていない.
「何も貢献してないクラブから出て行くのを裏切りと思うのも正解だが,
クラブで大事にされてぬるま湯に浸かった気でいるのも裏切りでは?」
⇒ どうでもいいメンバーなんていないのだから,全ての指示・業務は何らかの考えがあってのこと.
それを正しく読み取り,期待に応えることも社員の責務.
「最低限の役割をおろそかにしたらゲームは成り立たないけど,
組織として差が出るのは個々が役割以上のことが出来るか」
⇒ 現在,モーニング誌上の連載で進行中のポジションばらばら練習試合も,まさにこのため.
会社においては,人事異動・配置転換という形で実現させている.
「ウチみたいな貧乏なクラブは お金使えない分頭使うしかない」
⇒ たとえ貧乏じゃないとこであっても,共通の重要事項です.
意識している人は,意外と少ないのかも知れません…
物語の中でも,現実の会社でも最終的に重要となるのは,
クラブ(会社)として必要・不必要よりも,
選手(社員)個人の自分自身が主体であるという意識.
社会人の身に染みるエピソードですよ.
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